酒米は、高級米です!

酒米 コラム
酒米

日本酒が「お米」から作られることは、皆さんご存知の通りです。食卓に並ぶ「コシヒカリ」や「あきたこまち」は、誰もが知るお米のトップブランドですよね。

しかし、それらは主に「飯米(はんまい)」と呼ばれる、食べるためのお米です。

一方で、日本酒を造るために適したお米を「酒米(さかまい)」または「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」と呼びます。日本酒好きなら「山田錦(やまだにしき)」や「雄町(おまち)」といった名前を一度は耳にしたことがあるかもしれません。

最近では、飯米で作られた日本酒もよく見かける様になり、私としては、日本酒のバラエティが増えて、楽しみも増えましたね。笑

この記事では、知っているようで意外と知らない「酒米」の世界について、その特徴や代表的な品種をやさしく解説していきます。

この記事はこんな人におすすめ

  • 「山田錦」や「雄町」など、代表的な酒米の種類や特徴を知りたい方
  • 日本酒のラベルに書かれた「酒米」を見て、好みの味を選べるようになりたい方
  • 日本酒の知識を深めて、選び方や楽しみ方の幅を広げたい方

お米だけが日本酒の味を決めるわけではないですが、味を決める大事な要素の一つであることは間違いないので、酒米について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

酒米(酒造好適米)とは?(飯米との違い)

酒米(酒造好適米)とは、その名の通り「日本酒造りに適した特徴を持つお米」のことです。

もちろん、お米であれば日本酒は作れます。 普段私たちが食べている飯米で造られた日本酒も、最近では多く見かけるようになりました。飯米と酒米、どちらが良いということではなく、それぞれに良さがあります。

(例えば、奈良県の油長酒造が造る「風の森 秋津穂 657」は飯米の「秋津穂」で造られています。ガス感と洋梨のような香りが素晴らしい銘柄です。いつかレビュー記事を書きたいと思っています。)

「酒造好適米」と名前が付けられるのは、酒米が「美味しい日本酒を造るため」の下記のような特徴を備えているからです。

飯米と酒米の決定的な違い

酒米(酒造好適米)飯米(コシヒカリなど)
心白(しんぱく)大きい(中心部が白く不透明)小さい、または無い
粒の大きさ大きい標準(酒米より小さい)
たんぱく質・脂質少ない(雑味の原因になるため)多い(旨味・粘りのため)
硬さ外は硬く、中は柔らかい全体に粘りがある
精米高度に精米される(例:50%以上削る)あまり削らない(例:10%程度)

心白とは、お米の中心にある白くて柔らかいデンプンの塊のような部分。この部分は麹菌の菌糸が入り込みやすく、糖化(デンプンが糖に変わる)が進みやすいと言われています。

また、日本酒は雑味を減らすために米の外側を大きく削ります(精米)。酒米は粒が大きくて割れにくいため、精米を繰り返すことに耐えることができます。また、たんぱく質が少ないため、クリアで香り高いお酒を造るのに適しているのです。

代表的な酒米の品種

ここでは特に有名で、日本酒のラベルでよく見かける代表的な品種をピックアップして解説します。

山田錦(やまだにしき)

兵庫県発。「酒米の王様」として知られています。「獺祭」に使われている酒米としても有名です。

雄町(おまち)

岡山県発。味にコクと旨みがあるのが特徴かと思います。雄町の愛好家を「オマチスト」と呼んだりします。

五百万石(ごひゃくまんごく)

新潟県発。淡麗で軽やかな味になりやすい特徴があります。

愛山(あいやま)

「酒米のダイヤモンド」とも呼ばれる品種。比較的モダンな味わいになりやすい印象を持っています。

他にも、美山錦(みやまにしき)や出羽燦々(でわさんさん)、酒未来(さけみらい)など、いろいろな酒米を使って日本酒は醸されています。

酒米の米づくりは、苦労が多い?!

酒米は、飯米と同じように田んぼで作られますが、栽培には飯米以上の手間と技術が必要とされています。

酒米の稲は背が高く育つ(「長稈」といいます)ため、台風などの強風で倒れやすいという弱点があります。また、粒を大きく育てるための管理も難しく、飯米よりも高値で取引されることが多いです。

私たちが美味しい日本酒を飲めるのは、こうした酒米農家さんたちの苦労と努力のおかげでもあります。

まとめ:酒米の特徴を知って、日本酒を味わおう

今回は、「酒米」について解説しました。

  • 酒米は、日本酒造りに適したお米(酒造好適米)。
  • 飯米との最大の違いは「心白(しんぱく)」の大きさや、たんぱく質の少なさ。
  • 「山田錦」はバランスの王様、「雄町」はコクと旨み、「五百万石」は淡麗スッキリ。

手間暇かけて作られた酒米を、さらに何十%も磨き上げて醸される日本酒。その背景を知ると、おいしい日本酒が飲めることに感謝しないといけないですね。

次に日本酒を選ぶときは、ぜひラベルの裏側にある「原材料名:米(〇〇)」という表記に注目して、お米ごとの味わいの違いも感じてみてください。


日本の酒米農家さんたちも、心からのリスペクト! 

日本酒文化を一緒に応援していきましょう!

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